8/8ブログ 物語 ボクは原発君 できました

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     福島の子ども達が帰ってまだまだ余韻の抜けない日々ですが、今まで、気になりながらほうっておいたことにひとつづつ手をつけてゆこうと思います。先ず、そのひとつがこれです。


    6月2日のブログ
    で、「お腹が痛くなった原発君とというアニメを怒りと共に紹介して、その後、もし、自分が、今の原発のことを物語りにするとどうなるのかやってみようと思い、物語 ボクは原発君!を書いてみようと思いました。
    第1章から第4章まで書いて、ここで発表したのですが、最終章はまだここに出していませんでした。名寄短大の夏合宿で大学生に聞いてもらおうと思い、全編手直しして、最終章も仕上げました。

    全編順次ここで紹介してゆこうと思います。
    感想等いただけると幸いです。



    物語 ボクは原発君!   作 音次郎

      第1章 ボクは生まれた

    ボクの名前は、原発君。海沿いの、気持ちの良い風が吹く木々に囲まれた静かな町で生まれた。

     最初は、自分が何をするのか良くわからなかった。僕の初めての友達、渡り鳥のピー君が、「ここは、いったいどうなったんだい。君はいったい何者だい」と声をかけてくれた時も「電気ってものを作るみたいだよ」としか言えなかった。 

     しばらくすると、僕の体から、パイプやら配管やらいろんなものがいっぱい作られていって、隣に立っていたタービン建屋君とつながったんだ。「よろしくね」って言われて、一緒に働く仲間なんだってわかった。ボクの運転のスイッチが始めて押される時は、そこで働くおじさんたちも、町の人達も、そしてボクも嬉しくって興奮したよ。スイッチが押されておなかの中は、どんどん熱くなった。びっくりしたよ。そして、ボクが熱を出すと、隣のタービン建屋君のタービンがぐんぐん回りだしたんだ。「こうやって電気ができるんだって」自分のことながら感心したよ。みんなが大きな拍手をしながら喜んだんだ。

     

    「原発君が作った電気は、遠くにいる何千万人という人達の生活を支えるために使われるんだ。」と聞いた時には嬉しくなった。「よーし、頑張るぞ」って、体の中から、それこそ本当に力が沸いてきた。

     

     僕がここに来てから、この町もどんどん変わっていった。町の人達はすごく喜んでくれた。

    「働く場所ができた」「これから豊かになるぞ」って、みんなが言ってた。 

    しばらくぶりにやってきたピー君もびっくりして、言ってたんだ。「どうしたんだい、この町は。立派な建物も増えたし、道路もきれいになったし、人もいっぱいいるよ」僕は、それが全部自分のおかげだって知ってたから、ますます嬉しくなって、「すごいだろ。へっ、へっ、へ」って、笑ってたんだ。

     

     でもね。僕の周りには、嫌なことをいう人達もいた。「僕が電気を作ると、お腹の中に変なものができて、爆発したりして、出てきたら怖い」って言うんだ。「すごい、失礼だな」って思った。みんなが使う電気を作るために頑張ってたんだもん。

     

    でも、あんまり言われるから、ちょっと心配にもなってきた。僕は、時々、体の中を調べてもらうことになってるんだけど、思い切って、仕事をしているおじさんに大丈夫か聞いてみた。すると「こんなにしっかり調べているから、君がおかしくなることや、お腹の中のものが出てくるようなことなんて絶対無いから大丈夫。」って言ってくれた。それを聞いて少し、元気になった。そして、「よし、それじゃ、お腹の中のものは絶対出さないように、僕も頑張ろう。嫌なことを言うやつらを見返してやるんだって」決心したんだ。

     

     それからは本当に頑張った。体が変にならないように。変になってもすぐ直すように、地震で揺れても全然平気だった。「僕は、怖くなんかない。壊れたりしない。地震や台風だって、全然へっちゃらさ
     自分でそう思えちゃったら、不思議なもので、おなかなかのことはすっかり忘れて、何も怖いものがなくなってきたんだ。「原発君は、お金がかからないし、とてもクリーンで、安全なんだよってくり返し説明されてるのを聞いて、誇らしかったし、嬉しかった。そして、いつのまにか、嫌なことを言う人達もどんどん少なくなっていったんだ。今思うと、この時代が、僕にとって一番いい時代だったのかなって、思うんだ。


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