8/14ブログ .椒は原発君 第3章

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    ボクは原発君 第3章  を紹介します

          第一章は、ここをクリック 第一章 ボクは生まれた

         第二章は、ここをクリック 第二章 ボクのウンチ 

     


      第3章 そして、その日が来た! 

     ボクは原発君!。春というには早すぎる、それでも太陽さんが顔を出す気持ちのいい日。ピー君が「又来たよ」と言ってやってきた。うれしくって、二人でたまっていた話をいっぱいして笑いあっていた。そんな時。突然、大きく地面が揺れた。地震だとすぐにわかったけど、今までと比べようもないくらい強く揺れた。周りのいろんなものも大きく、ガタガタ音をたてながらぐにゃぐにゃ揺れていた。必死の想いで耐えたんだ。強い揺れは5分間近く続いてとまった。空に逃げていたピー君がすぐに戻ってきて、「大丈夫?」と聞いてくれた。「大丈夫」と答えた。僕は今まで、どんな時でも「大丈夫」だったんだ。でも、今までとは違った。おじさん達は誰もいなくなっちゃった。僕は今までどおりお腹のものを出さないように頑張ろうと思った。

    「ちょっと様子を見てくるね」と飛び立ったピー君が、あわてて戻って来た。「大変だ。海が山のようになってこっちにやってくるよ」僕は何を言っているのかわからなかった。「えっ、えっ、えっ」考える暇もないうちに、黒い壁がゴーと言う音と共に、僕たちに激しくぶつかった。強い衝撃に必死に耐えるのが精一杯だった。波が去った後、シーンと全く音がしない。みんなに必死で声をかけても、タービン建屋君も、変圧器君も、送電線君も、非常用電源君も、何も答えてくれないんだ。みんな壊れちゃった。悲しむ余裕もなく茫然としてた。

     

     ピー君がまた戻ってきて「大丈夫?」と聞いてくれた時には、僕はもう「大丈夫」とは答えられなかった。大丈夫じゃないことは、自分でもわかった。何がどう大丈夫じゃないのかもわからないくらい大丈夫じゃなかった。僕が何も話さないので、ピー君は「大丈夫だよ。すぐにおじさん達が戻ってきて、助けてくれるよ。いつもそうだったじゃないか」と励ましてくれた。でも、僕は、自分のお腹の中が今までにないくらいすごく、すごく、すごく、すごく熱くなってきているのを感じていた。仲間がみんな壊れちゃって、僕のお腹を冷やせなくなったんだ。

     

    そしてお腹のふくらむ力が、どんどん高くなっていった。このままじゃ、バクハツすると思った。涙が出てきた。「いやだー。いやだよー。バクハツはいやだよー。なんとかしてよー」パンパンになってきているお腹を一生懸命おさえ、叫び続けた。

     

    おじさんたちも、バクハツしないように考えていてくれてたことは、後から知ったんだ。そのために、僕の中のものを出そうとしたんだということも。でも、その時は、信じられなかった。今まで「出しちゃいけない」とずーっと頑張ってきた『怖いもの』を、外に出そうとしていたんだもん。「やめてー。やめてー。それはダメだよ。逃げてー。ぼくから逃げてー」って、泣きながら叫んだ。でも、おじさんは『それ』を出したんだ。煙突の先から風に乗って水蒸気と一緒に『それ』は、出ていった。すると、おなかのふくらむ力が減っていった。

     

    ピー君も「良かったね。これで爆発はしないねと言いながら、又戻ってきてくれた。

    「ピー君、僕から逃げた方がいいよ。僕は危ないよ。僕の近くにいたら大変なことになるよ。僕から離れて」と言ったんだけど、ピー君は「大丈夫。僕は風の向きを感じるのはプロだぜ。僕には羽があるから、いつでも飛んでゆける。原発君とここに居るよ」と言った。僕はピー君のその優しい言葉に、それ以上何も言えなかった。どうしていいかもわからず泣いていた。僕は、電気を作ることが仕事なのに、電気がなくなったら何もできないんだ。それは、電気を作るために頑張っていた僕には、なさけないほど悲しいことだった。

     今まで、必死に外に出さないように頑張っていたものを、おじさんたちが出しちゃったのがショックだったし、信じられなかった。でもそれは、もっともっと信じられないことが起こる前兆だったんだ。
     お腹のなかで、今まで感じたことのない何かが、スースーもれだしていたし、何より、あのすごく、すごく、すごく、すごく熱くなっていた燃料が溶けて落ち、底の部分も抜けて、下へ落ちてゆくのを感じていた。それは、『メルトダウン』と言って「決してあってはいけないこと」のはずだったんだけど、あっという間に、溶け落ちて、出ちゃったんだ。怖かった。そして、なにより怖かったのは、そのことをおじさん達が気付いてないふりをしていることだったんだ。


      8/14ブログ△發△蠅泙后8て下さい。



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