そこにいる自分にちゃんと居場所をつくってあげること
ぴっぱら通信319号から転載
じュんき記
そこにいる自分にちゃんと居場所をつくってあげること
暑い一週間だった。畑の雑草がぐんと伸びてくる季節。野菜を育てるために、とりのぞかなければならない。先週はみんなで手分けして、毎日のように草とりをしていた。雑草はいくら抜いても、必ずまた生えてくる。生きようとする力がもう半端じゃない。この手でむしり取りながら、雑草のように生きたいもんだなあと思ったりすることもある。...
朝、こどもたちが来る前と、帰った後と、畑にしゃがみこんで、土に触る。不思議なことに、こうしていると気持ちが落ち着くのだ。暑さとは裏腹に、心は涼しくなっていく。ずっと頭で考えていたいろんなことを、いつのまにか、ぽんっと何処かにどけてしまっている。気づけば、自分がそこにからだひとつでいるような感覚。なんて身軽なんだろう…。この感じ、なんかちょっと久しぶり。頭でっかちになって身動きがとれなくなっていたんだなあ。ひとりで勝手に、ずいぶんと頑張っていたんだなあ。 「あぁ、おかえり」 土まみれになった自分に、そんなことばがこぼれ出てきた。
笑って怒って泣いて笑って…。こどもたちを見ていると、まさにからだひとつで生きているように思わされる。頭よりも先にからだが動くのって、見てるだけでもなんだか気持ちがいい。もちろん、くよくよすることだっていい。おもいっきりくよくよすればいい。むしろ大事なのは、ひとつひとつ、そこにいる自分にちゃんと居場所をつくってあげることなんじゃないかなと思う。ぴっぱらの子たちは、その一瞬一瞬、自分で自分の居場所をみつけて、次の一瞬へと飛び移るようなことを、ひとりひとりが毎日やっている。ただ遊んでいるようで、実はすごいことをやっていると思う。僕もそんなふうに生きていきたい。わからなくなったら、また、今ここから紡いでいけばいい。そんな想いで今日も、土に触る。
- 2016.07.06 Wednesday
- もりのよちえん ぴっぱら
- 12:57
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